「金利ある世界」本格到来　過去最大に迫る国債利払い費、財政の重し

　日銀の利上げによる「金利ある世界」の本格到来は、借金を1000兆円超抱える国の財政に重くのしかかる。30日が締め切りの2025年度一般会計予算の概算要求では、国の借金である国債の利払い費が10兆9320億円と、決算ベースで過去最大だった1991年度の約11兆円に迫る規模に膨らんだ。　財務省は国債の利払いや元本償還に充てる「国債費」を前年度予算比7％増の28兆9116億円要求した。このうち償還費が3・8％増の17兆9557億円だったのに対し、利払い費は12・8％増と伸び幅が大きく、歳出拡大圧力となった。

利払い費の増加は、日銀の金融政策変更と密接に関わる。

日銀は3月にマイナス金利を解除し、7月には政策金利を0・25％程度とする追加利上げに踏み切った。財務省は、金融政策の変更に伴う長期金利の上昇を見込んで利払い費算出の前提となる10年物国債の想定金利をはじき出す。

今年度は前年の概算要求時の1・5％から2・1％に引き上げた。日銀の大規模金融緩和下の17～23年度の予算で1・1％だった想定金利は、短期間で1％近く上昇する形になった。

ただ、利払い費が過去最大だった91年度とは大きく状況は異なる。…(以下有料版で，残り517文字)

毎日新聞 2024/8/30 17:44（最終更新 8/30 17:44）
https://mainichi.jp/articles/20240830/k00/00m/020/237000c